お客様が、市場流通在庫から購入した海外メーカーのSRAMを装置に組み込んで使用したところ、電源ON-OFFのタイミングでデータが化ける(正常動作しない)現象が確認され、装置稼働後、早い個体で約1週間、遅い個体でも約3ヵ月で発生する問題がおこりました。

海外メーカーへ不具合調査の依頼ができない状況があったため、このSRAMに不具合があるか、ないかを調べられないか相談を受けました。


SRAMの機能から、書き込み/読み出し機能、または、リチウムイオン電池のどちらかに障害箇所があると推測し、調査対象の3個について、電気的検査を通じて明らかにすることにして、SRAMの動作確認用簡易ソフトウェアと治具を制作し調査しました。

3台全数において、通電状態で書き込み/読み出し機能を確認したところ、異なるパターンの異常を示し、アドレスラインでの不良が推測されました。この中で、正常に読み書きできる領域があったため、所定の値を書き込んだ後、一定の時間電圧を切断してから、再度電源を印可して書き込んだ値を読み込んで比較したところ、書き込んだ値を読み出すことができました。

このことから、SRAMの基本動作(書き込み/読み出し)に異常があり、リチウムイオン電池は正常である内容を報告書へまとめて、お客様へ提出しました。

お客様からは、SRAMの基本動作に異常があることがわかったことで、今後、対応を検討するための材料になるとのお言葉をいただきました。